48: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:23:46.96 ID:apvgBKJC0
「今日はもう上がり?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどね。風がサイドよりになってきたし、ついでにちょっと休憩」
「そっか。見た感じ今は荒れてないけど、どう?」
49: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:24:24.14 ID:apvgBKJC0
「そういえばお兄さん、いつもに比べて遅いね。仕事大丈夫なの?」
いつも、お兄さんは仕事の前の早朝に来ることが多いと言っていたし、実際そんな感じだった。
けど、今日はいつもよりかなり遅めの時間。
50: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:24:50.73 ID:apvgBKJC0
「お兄さん、まだ上がらないんだよね」
「ん? そのつもりだよ。昼過ぎまではやってようかなとは思ってる」
「ん、それじゃあお昼もここ?」
51: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:25:29.99 ID:apvgBKJC0
「ん? それがどうかした、海ちゃん」
「ん、あー、いやさ。ウチも今日、短大無くて、昼までいるからさ」
「お、そうなんだ。いいなぁ学生は。懐かしい」
52: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:26:03.33 ID:apvgBKJC0
「いや、ウチは弁当あるから。それじゃ昼ぐらいに、浜で食べる?」
「オッケー、そうしようか」
「了解。それじゃウチ、ちょっと行って来るから」
53: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:26:30.20 ID:apvgBKJC0
●
「海ちゃん、お待たせー」
「ん、お帰り」
54: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:26:58.75 ID:apvgBKJC0
そう言って、急にひょい、とお兄さんがペットボトルを投げて寄越す。
「おっ、と! もう、急だなぁ」
「はは、ナイスキャッチ、ってね」
55: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:27:25.37 ID:apvgBKJC0
それじゃあ食べやすいとこに移動しようかな、と思ったのだけど。
いつになく、真剣な表情でお兄さんがこちらを見ていた。
……ど、どうしたんだろ。
「……何?」
56: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:27:55.74 ID:apvgBKJC0
お兄さんがこちらを指さしても、一瞬何のことかわからなかったけど、すぐに察した。
今ウチは、ウェットの上だけをはだけている状態になってる。浜に上がった状態じゃ、スプリングとはいえ流石に暑いしね。
けどそれは、逆に言えば今、ウチの上半身は水着――ビキニのトップスだけの状態になっている、というコト。
お兄さんはどうやら、それを気にしてるらしい。
……そういうの気にしない人かと思ってたけど、意外と純情なのかねぇ?
57: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:28:36.25 ID:apvgBKJC0
実際ビーチを見渡してみれば、何人かそういう女性サーファーが見える。
ウチだって、全く気にしないというわけじゃないけど。そもそも海に来てるわけだし。
そんなこと気にしてたら、ウィンドサーフィンなんてやってられない、ってね!
「そういうわけで、ウチは気にしないからさ! とにかく食べようよっ」
58: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:29:04.05 ID:apvgBKJC0
前言撤回。やっぱお兄さん、印象通りの人だわ。
……まぁ、でも。
こうやって軽口を叩き合えるくらいには、いつの間にか仲良くなっていた。
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