46: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:22:44.82 ID:apvgBKJC0
「さて、と」
浜に置いておいたボードとセイルを持ち上げて、ウチは海へと向かう。
海が海に向かう……なんて、あのアイドルの人みたいだなぁ、これじゃ。
風はサイドショアで、少し強め。
47: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:23:12.75 ID:apvgBKJC0
「……あれ?」
それは1人のサーファーで、丁度海からあがろうとしているところのようだった。
日に焼けたような茶髪、最近見慣れた青いボードと黒のウェット。
それは、よく見なくても。
48: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:23:46.96 ID:apvgBKJC0
「今日はもう上がり?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどね。風がサイドよりになってきたし、ついでにちょっと休憩」
「そっか。見た感じ今は荒れてないけど、どう?」
49: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:24:24.14 ID:apvgBKJC0
「そういえばお兄さん、いつもに比べて遅いね。仕事大丈夫なの?」
いつも、お兄さんは仕事の前の早朝に来ることが多いと言っていたし、実際そんな感じだった。
けど、今日はいつもよりかなり遅めの時間。
50: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:24:50.73 ID:apvgBKJC0
「お兄さん、まだ上がらないんだよね」
「ん? そのつもりだよ。昼過ぎまではやってようかなとは思ってる」
「ん、それじゃあお昼もここ?」
51: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:25:29.99 ID:apvgBKJC0
「ん? それがどうかした、海ちゃん」
「ん、あー、いやさ。ウチも今日、短大無くて、昼までいるからさ」
「お、そうなんだ。いいなぁ学生は。懐かしい」
52: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:26:03.33 ID:apvgBKJC0
「いや、ウチは弁当あるから。それじゃ昼ぐらいに、浜で食べる?」
「オッケー、そうしようか」
「了解。それじゃウチ、ちょっと行って来るから」
53: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:26:30.20 ID:apvgBKJC0
●
「海ちゃん、お待たせー」
「ん、お帰り」
54: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:26:58.75 ID:apvgBKJC0
そう言って、急にひょい、とお兄さんがペットボトルを投げて寄越す。
「おっ、と! もう、急だなぁ」
「はは、ナイスキャッチ、ってね」
55: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:27:25.37 ID:apvgBKJC0
それじゃあ食べやすいとこに移動しようかな、と思ったのだけど。
いつになく、真剣な表情でお兄さんがこちらを見ていた。
……ど、どうしたんだろ。
「……何?」
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