41: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:20:01.12 ID:apvgBKJC0
「でも海、講義とか大丈夫なの?」
「ん? ちゃんと出てるけど」
「それは知ってるけど、でも、眠くなったりとか」
42: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:20:33.24 ID:apvgBKJC0
ぱんっ、と手を打ち合わせて、慶がこちらににんんまりとしいた笑みを向ける。
……な、なんかイヤな予感がするんだけど。
「な、何?」
43: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:21:08.33 ID:apvgBKJC0
「いやだから、前にも言ったけどお兄さんとはそういうんじゃないんだって」
「またまたー」
「またまたじゃなくて……あー、もう!」
44: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:21:41.49 ID:apvgBKJC0
ウチらは急いで荷物をまとめて、ダッシュでそれぞれの教室へと向かった。
今日の講義は先生来るの遅いし間に合う……筈!
とりあえず小テストもやらないって言ってたし、なんとかなるだろう。
――なんて、講義のことを頭で考えている一方で。
ウチは、頭の片隅でお兄さんのことを思い浮かべていた。
45: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:22:07.45 ID:apvgBKJC0
●
果たして、翌日。
ウチはやっぱり、いつものゲレンデへと来ていた。
まぁ今日は休日で短大もないし、いつもと違って気軽なモンだよね。
46: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:22:44.82 ID:apvgBKJC0
「さて、と」
浜に置いておいたボードとセイルを持ち上げて、ウチは海へと向かう。
海が海に向かう……なんて、あのアイドルの人みたいだなぁ、これじゃ。
風はサイドショアで、少し強め。
47: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:23:12.75 ID:apvgBKJC0
「……あれ?」
それは1人のサーファーで、丁度海からあがろうとしているところのようだった。
日に焼けたような茶髪、最近見慣れた青いボードと黒のウェット。
それは、よく見なくても。
48: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:23:46.96 ID:apvgBKJC0
「今日はもう上がり?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどね。風がサイドよりになってきたし、ついでにちょっと休憩」
「そっか。見た感じ今は荒れてないけど、どう?」
49: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:24:24.14 ID:apvgBKJC0
「そういえばお兄さん、いつもに比べて遅いね。仕事大丈夫なの?」
いつも、お兄さんは仕事の前の早朝に来ることが多いと言っていたし、実際そんな感じだった。
けど、今日はいつもよりかなり遅めの時間。
50: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:24:50.73 ID:apvgBKJC0
「お兄さん、まだ上がらないんだよね」
「ん? そのつもりだよ。昼過ぎまではやってようかなとは思ってる」
「ん、それじゃあお昼もここ?」
51: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:25:29.99 ID:apvgBKJC0
「ん? それがどうかした、海ちゃん」
「ん、あー、いやさ。ウチも今日、短大無くて、昼までいるからさ」
「お、そうなんだ。いいなぁ学生は。懐かしい」
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