13: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 21:58:25.74 ID:GPsfCuOW0
「してることはしてるけど、健康のためみたいなものだし……ウィンドサーフィンとは全然違うよ、やっぱり」
「うーん、ウチはそんなに違わないと思うんだけど。ま、好きだからこそ、ってねっ!」
この短大を選んだのだって、学びたいことが学べるのはもちろん、東京近郊最高のゲレンデ、逗子海岸や材木座海岸が近いからなワケだしね。
14: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 21:59:12.07 ID:GPsfCuOW0
「まぁでも、その人が言ってることもわかる気はするかな」
「え?」
「ほら、一度ウィンドサーフィンやってるところ、見せてもらったじゃない?」
15: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 21:59:47.16 ID:GPsfCuOW0
「あの時の海、キレイだったもん。なんていうかさ、溌剌としてて、キラキラしててさ!」
「!?」
「ちょ、海、大丈夫!?」
16: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:00:39.75 ID:GPsfCuOW0
とりあえず事なきを得はしたけれど……うーん。
彼女の言葉は、嬉しいと思う反面、納得はいかない。
「輝いてるって……ウチ、そんな柄じゃないと思うけど」
17: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:01:23.79 ID:GPsfCuOW0
「んー、海はいっつもそう言うけど、そんなことないと思うけどなぁ」
「そうかねぇ」
「まぁ、男勝りだなー、とは思うけどさ。でも、そこがいいっていうか」
18: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:01:56.86 ID:GPsfCuOW0
「あはは、本当に私のところとはまるっきり逆だなぁ」
「ん、ああ。そういえば女ばっかって言ってたっけ?」
「うん。まぁ、上二人は熱血でちょっと暑苦しいけどねー」
19: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:02:23.16 ID:GPsfCuOW0
軽く手を振り合って、それぞれの教室へと向かう。
んー、今日の数学はどこやるって言ってたっけ。あんまり難しいとこじゃないといいんだけど……。
なんて、そんな事を思いながら、ふと脳裏に響いた気がしたのは、あの男の人の言葉。
『キミが滑ってるところ、ホント綺麗だったからさぁ!』
20: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:02:49.03 ID:GPsfCuOW0
●
それから、数日後の休日。
ウチは、ウィンドサーフィンをやろうと思い立って、いつものゲレンデに来ていた。
今日は晴れてるし、風もそこそこ出てるし、絶好のウィンドサーフィン日和。
21: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:03:15.79 ID:GPsfCuOW0
「お、キミ、やっぱりここの艇庫だったんだ」
そんな声を掛けられて振り返ってみれば。
「……あ。あの時の」
22: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:03:42.44 ID:GPsfCuOW0
「あの時の、いきなり声掛けてきたチャラい人」
ウチの言葉に、その男はガックっと、思いっきり脱力する。
よし、一矢報いた! 心の中でガッツポーズ。
……って、なんでウチは、こんなことしてるんだろ。
23: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/14(金) 22:04:11.25 ID:GPsfCuOW0
●
「いやー、あの時はホントごめんね。急に声かけちゃってさ」
「いえ、もう気にしないでください。ちょっとびっくりしましたけど」
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