二宮飛鳥「美波さんにボクの歌が歌えるわけがない」
↓ 1- 覧 板 20
9:名無しNIPPER
2017/07/14(金) 09:00:46.90 ID:jKZID4Vr0
屋上に来れば少しは気分が晴れるかと思いきや、厚みと高さのある雲がそこかしこに散っていて空からの明かりを遮っていた。
初夏のぬるい風を受けながら、闇と光の境界線を眺める。
世界から取り残されたような雰囲気の中、屋上入り口の古びた扉が開く音がした。
「あ、飛鳥ちゃん。ここにいたんだ」
美波は丁寧に扉を閉める。
無地のロングスカートが緩やかに風に揺れた。
「美波さん。どうしてここへ?」
「飛鳥ちゃんはよく屋上にいるって聞いて、どんな感じなのか知りたくて。良かった。ちょうど飛鳥ちゃんとお話したかったから」
美波が見せるのはいつもの笑顔。
やはりどうしても、笑顔の仮面を付けているように見えてしまう。
26Res/16.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20