二宮飛鳥「美波さんにボクの歌が歌えるわけがない」
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8:名無しNIPPER
2017/07/14(金) 08:59:11.19 ID:jKZID4Vr0
「……!? 蘭子、何を……!?」
「くくく……これぞ白銀の妖精より受け継がれし技である! 言の葉より深く、魂で繋がる儀式であると!」
滑らかで、柔らかくて、温かい手だった。
心臓が早鐘を打つ。
「良かろう。そなたがそう言うのであれば我は観測者となろう。だが、我らは魂の同胞。混沌に呑まれしときは、必ず救いの手を差しのべることを、決して忘れるでないぞ」
するりと手を離し、そう言い残して去りゆく蘭子の背中を、飛鳥は視界から外れるまで目を逸らさなかった。
見透かされているのだろうか。
気を使われているのだろうか。
いずれにせよ虚勢が意味をなしていないのは気恥ずかしいものではあった。
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