二宮飛鳥「美波さんにボクの歌が歌えるわけがない」
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7:名無しNIPPER
2017/07/14(金) 08:57:01.50 ID:jKZID4Vr0
学校や街中では、アンニュイにも、不機嫌にも見える表情がデフォルトである。

しかし、蘭子の前では、格好良い『二宮飛鳥』でありたいと思っていた。

だから、感情が顔に出すぎないように、余裕を持っているような笑顔で押し込めた。

「汝も宴に参加するか?」

「いや、今日は止めておくよ。また今度二人でゆっくり時間を取ろうか」

その答えに、蘭子はアイシャドウの引かれた大きな目でじっと見つめる。

主張のはっきりしたやや太めの眉がぴくりと動いた。

「飛鳥よ、闇の先に何を見い出すのか?」

「いや、未知というものに人は本能的に身構えてしまうというだけのことさ。蘭子と話せて少し気が楽になったよ。ありがとう」

飛鳥は蘭子の瞳を見続けることが出来なかった。

そして、視線を外したその一瞬、不意に蘭子が飛鳥の手を取る。


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