二宮飛鳥「美波さんにボクの歌が歌えるわけがない」
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19:名無しNIPPER
2017/07/14(金) 09:11:14.17 ID:jKZID4Vr0
「でもそれは……ボクも同じだよ」

先程、飛鳥が蘭子と接したときと同じだ。

格好良く見られたい、良く思われたい。

それは、あまりに人間的な欲求だった。

「ヒトは多かれ少なかれ嘘をつく生き物だ。きっと美波さんは、嘘をつくのが上手いんだね」

嘘をつくのが上手いか下手か、相手の嘘を見抜くことが出来るか出来ないか。

それだけのことだった。

「……ふふ、そんな風に言われたのは、初めて」

美波は驚いたように、ぎこちなく笑う。

初めて見た表情に、そのあまりにも普段と違った儚さに、飛鳥は衝動に駆られた。

あと一歩。

もう一歩足りない。


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