緒方智絵里「あなたと過ごす、特別で怠惰な一日」
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/07/13(木) 06:39:04.34 ID:BU9z89DK0
「……」
彼女はしばらく水面を見つめた後、乗り出していた体を元に戻した。
真っ直ぐに立った彼女は視線を少し下げて俯き、どうしたものかと数秒程考え込む。
「……うん」
考えが纏まったのか、少女はゆったりとした仕草で首を縦に振り、僅かに頷く。
そしてその手にはある物―――どこから取り出したか分からない小石―――が握られていた。
それを彼女は躊躇いも無く、池に向かってひょいと放り投げる様に投げ込んだ。
ぽちゃんという小気味の良い音を立てて、小石は池にへと入り、底にへと沈んでいく。
小石は直ぐに見えなくなったが、水面に触れた衝撃で、小さな波紋が表面に広がっていた。
ゆらゆらと幾重にも輪を描き、波を広げていく波紋。
しかし、数秒もすれば治まってしまい、また元の状態にへと戻ってしまう。
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