緒方智絵里「あなたと過ごす、特別で怠惰な一日」
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10:名無しNIPPER[saga]
2017/07/13(木) 06:46:55.15 ID:BU9z89DK0
会社に出勤する際には、この時間に起きて準備をしないと遅刻してしまうから。


それがいくら休みの日だからといっても、変わらなかった。


「さて、どうしたものか……とりあえず飯の準備……いや、先に顔を洗ってこようか」


「よし、そうしようか」と、男は自分に言い聞かせる様に言った。


それから立ち上がろうとして右手を布団の上に置いた時、


「ん?」


彼の手に、何か細長い様なものが触れた。


仕事で使うペンの様に細く、しかし無機質な感触では無く、柔らかくて暖かい。


これはどう考えても、人の指に手を触れた感触だった。


「あぁ、そういえば……」


男は大して動揺もせずに、そう言って首を右側に九十度曲げて顔を向ける。


彼のの視線の先にはこんもりと盛り上がった掛け布団。


それともう一つ、幸せそうな笑みを浮かべている少女の寝顔。





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