善子「──不幸な誕生日。」
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8: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/13(木) 03:09:41.53 ID:OVRkGwzJo

ルビィ「千歌ちゃんがやめるかなぁ……?」

梨子「あの千歌ちゃんだもんね。止めても止まんないよ」

善子「……まあ、私の意思はそういう感じだから。やらないでって伝えるだけ伝えてもらえるかしら」

梨子「わかった。それは千歌ちゃんには伝えておくよ。」

善子「……お願いね」


確かにリリーの言うとおり、あの千歌がやめるとは思えないけど……

まあ、どっちにしろ当日は台風だろうし、ね。





    *    *    *





──夢を見た。


「ごめんね……頑張って準備したんだけど」


……台風なんだから仕方ないじゃない。そんな、謝られても困る。


「ごめんね善子……いっつも、こんな時期に限って仕事が立て込んじゃって……」


わかってる、ママが悪いんじゃない……。それでも、おめでとうって後でちゃんと言ってくれるから、それでいいの。


「ごめんね」
「ごめんね」
「ごめんね」


私の誕生日はいつも暗い顔と悲しい言葉ばかり。

私は堕天使。この日は私を笑顔にさせてくれる人たちの顔を曇らせる罪深き日。

──ごめんね。





    *    *    *





曜「本日は曇天なり。夕方から夜にかけて更に天気が崩れそう。」


7月12日。千歌に呼び出されて来た屋上では、真ん中の方で曜が得意の体感天気予報をしていた。

千歌はその周りを楽しそうにくるくる回りながら私を待っていた。



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