善子「──不幸な誕生日。」
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7: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/13(木) 03:09:15.26 ID:OVRkGwzJo

千歌ちゃん主動で計画が進む中、マルはなんとも言えない気分だった。

善子ちゃんが悲しむのは見たくない……けど、お祝いもしてあげたい気持ちもある。

千歌ちゃんはすごいずら。何も迷わずにただ、お祝いすることだけ考えてる。

マルたちも善子ちゃんにそうしてあげればよかったのかな。

後悔先に立たずとは言うけど……マルは昔のあの誕生日会に記憶を巡らせて、少しだけ憂鬱な気持ちになっていた。





    *    *    *





私は帰り道、その足で沼津に向かった。

どうせ、近所だし。気分転換にもなるかなと思って。

だけど、後ろからはふらふらと人影が二つ。


善子「ちょっと、あんたたちいつまでついてくるのよ……」

梨子「だって……ねえ?」

ルビィ「やっぱり納得できなかったと言うか……」

善子「はぁ……もう……。納得行く理由を言えばいいの?」

梨子「それは、まあ……」

ルビィ「理由をちゃんと言ってくれればルビィたちにも出来ることがあると思う!」

善子「……わかった。」


私は二人の目を順番に見てから。言った。


善子「……私の誕生日会はどんなに計画してもポシャるのよ」

梨子「……?どういうこと?」

ルビィ「ぽしゃる?」

善子「この時期だから、大体は台風だけど……まあ、とにかくパーティ自体が失敗するのよ。」

ルビィ「それって、リトルデーモン的なこと?」

善子「……そういうことよ」

梨子「いやいや……それって、運が悪いだけでしょ?」

善子「せいぜい、ここ10年くらいは誕生日にお祝いはしてもらえてないわ」

梨子「え!?いや、友達からはなかったとしても親からとか何か……」

善子「親は大体運悪く前日に急な仕事が入ってるのよ。んで台風だからそのまま会社に泊まるコースね」

梨子「……」

善子「だから……わざわざ準備してくれなくてもいいの。……どうせ、失敗するのに計画してもらうのも申し訳ないじゃない」

ルビィ「善子ちゃん……」

梨子「……よっちゃんの言い分はわかった。」

善子「そう……それで、やめてくれるの?」

梨子「うーん……その話聞いちゃうとね……でも」

善子「……でも?」



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