善子「──不幸な誕生日。」
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5: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/13(木) 03:07:57.53 ID:OVRkGwzJo

善子「リリー、ルビィ、どうしたの?」

梨子「どうしたの?じゃないよ……なんであんなこと……」

ルビィ「善子ちゃんらしくないよ?……なんだかんだでノリがいいのが善子ちゃんのいいところなのに……」

善子「な、なんか引っかかる言い方ね……あと善子じゃなくてヨハネよ」

梨子「何か嫌な理由があるの?」

善子「それはさっき全部説明したじゃない」

ルビィ「あんまり説明になってなかったような……」

善子「うっさいわね!とにかく、嫌なもんは嫌なのよ!」


私は話を切り上げて再び歩き出した。


ルビィ「ピギッ あ、善子ちゃん!待ってよー!」

梨子「よっちゃん……」





    *    *    *





善子ちゃんを追いかけて、ルビィちゃんと梨子ちゃんが出て行ってしまった部室にはマルを含めて6人が残っていた。

とりあえず、腰を落ち着けて、皆の様子を確認する。


千歌「むー……何かチカ変なこと言ったかな……」

曜「ミカンのくだりは大分変だったと思うけど……」

ダイヤ「全く、なんですか善子さんのあの態度は」

果南「まあまあ……善子ちゃんも何か思うところがあるんだって」


と不機嫌そうにしている千歌ちゃんとダイヤさんを曜ちゃんと果南さんがそれぞれ宥めていた。


花丸「……もしかしたら」

鞠莉「What?……マル何か知ってるの?」

花丸「知ってるというか……すごい昔に思い当たる節があるというか……」

ダイヤ「昔……というと幼稚園のときのことですか?」

千歌「あ、そういえば花丸ちゃん、善子ちゃんと同じ幼稚園だったって言ってたもんね」

花丸「うん。……その、幼稚園って誕生日のお祝いするよね」

曜「あーうん、そうだね。保育士の先生が率先してやってくれるよね」

花丸「マルのいた幼稚園は前もって、準備して、皆で出し物の準備したり結構大きなイベントだったんだ」

曜「クラスで?それ結構大変そうだね……」

鞠莉「え、そう?……大体の準備なら電話一本で」

果南「これだから金持ちは……」

ダイヤ「この辺りは人も少ないですから……幼稚園のクラスの人数もさほど多くはないので少し大きな規模になってもどうにかこうにかちゃんとお祝いが出来るのですわ。大変と言えば大変でしょうけれど……」

千歌「でも、それと何か関係があるの?」

花丸「年少さんから年長さんまで幼稚園に居る間3回、誕生日会があるわけだけど……善子ちゃんの誕生日会は一度もちゃんと出来たことがないんだ」

鞠莉「What?どゆこと?」

花丸「毎年、運悪く当日に台風が直撃して……」



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