善子「──不幸な誕生日。」
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4: ◆tdNJrUZxQg[sage saga]
2017/07/13(木) 03:07:29.22 ID:OVRkGwzJo

善子「誕生日パーティとか……柄じゃないし。好きじゃないのよ。」

梨子「よ、よっちゃん?」

千歌「そんなこと言わないでさ〜せっかくの誕生日なんだから……」

善子「花火大会のライブも近いのに誕生日どころじゃないでしょ?」

千歌「そ、それは……」

善子「別に特別誕生日に祝われる習慣もないし、別に大して嬉しくもないから。人の誕生日を口実に騒ぎたいだけならむしろ迷惑よ」

梨子「ちょ、ちょっとよっちゃん……そんな言い方しなくても……」

ダイヤ「善子さん」


おとなしく黙っていたダイヤさんが私の言葉に反応した


ダイヤ「わたくしもどちらかというと誕生日に祝われる……という習慣からは遠い生き方をしてきましたが、そのような言い方で邪険にするのは余り褒められたことではないと思いますわよ?」


そう窘められる。そういえば、黒澤家も誕生日を祝う習慣が余りないってルビィが前に言ってた記憶がある。


善子「……邪険にするというか、普通にしてればいいのよ。誕生日なんて要は平日じゃない?ただでさえ忙しいのにわざわざ時間取ってお祝いなんてしてくれなくていいって言ってるのよ」

ダイヤ「それを邪険にするというのでしょう?」

果南「まあまあ二人とも……」


口論になりかけた私たちの間に果南さんが割って入る。

……別にケンカがしたかったわけじゃないんだけど。

もうちょっと、うまく解散させられればよかったんだけどなと自分の不器用さに自己嫌悪しながらも、もうこうなった以上は強引に解散させちゃえばいいかと思い


善子「とにかく、誕生日は祝わってくれなくていい。それだけ」


そう言ってから、身を翻して部室を去ろうとする。


花丸「善子ちゃん……」


そのときずら丸と目が合った。

その目は何か言いたげだったけど……


善子「……今日は帰るわ。じゃあね」


私はずら丸を一瞥してから、それだけ言って部室を後にした。





    *    *    *





梨子「よっちゃん!!」

ルビィ「善子ちゃん!」


部室から離れるように歩を進める私の背に声が掛けられる。

リリーとルビィが追いかけてきたようだ。



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