善子「──不幸な誕生日。」
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3: ◆tdNJrUZxQg[sage saga]
2017/07/13(木) 03:07:03.22 ID:OVRkGwzJo

    *    *    *





部室の中に7つの影があるのを確認して、私は部室の引き戸に手をかけた。


千歌「あ、花丸ちゃんやっと来た〜……って善子ちゃん!?」

果南「え、善子ちゃん!?」


私の姿を確認するやいなや、ホワイトボードの近くにいた千歌と果南さんが自分たちの身体でボードを隠すように張り付いていた。


善子「……今日は部活は休みだって聞いたけど?私には秘密で相談事?」

千歌「ええええええーと……!?よ、善子ちゃんが苦手なものの話を……十字架とかにんにくの話!」

善子「どっちかというと十字架も大蒜も好きだけど」

ダイヤ「というか、それでは吸血鬼が苦手なものではありませんか」

梨子「だから、よっちゃんには私が連絡しようかって言ったのに……」


慌てふためく千歌を見て、ダイヤさんとリリーがため息を吐く。


善子「まあ、大方予想は──」

千歌「みかん!!」

善子「……はい?」

千歌「みかんがたくさん取れちゃって、それを皆で食べきらないといけないの!!善子ちゃんみかん苦手だったでしょ?あ、でもでも、チカとしては是非みかんのおいしさを知って欲しいなって気持ちはあるんだけど……」

善子「いや、今7月だし、ミカンの収穫時期じゃないでしょ」

千歌「う……じゃ、じゃあハウスミカンだから今頃だよ!」

梨子「あはは、じゃあって……」

善子「はぁ……」


私は一旦ため息を吐いてから


善子「……別に誕生日パーティなんてやらなくていいわよ」


千歌と果南さんが隠しているホワイトボードから見切れている誕生日の文字を見てそういった。


ルビィ「ピギ……やっぱばれてる……」

曜「まあ、ここまで来たらそりゃバレるよね……」

善子「そもそもずら丸に伝達役やらせてる時点で穴だらけよ」

花丸「も、申し訳ないずら……」

鞠莉「ま、バレちゃったなら仕方ない。ヨハネも混ぜてみんなで計画しましょ」

善子「……いや、パーティそのものやらなくていいわよ」

ルビィ「え?」


私の言葉にルビィが目を丸くしてこっちを見つめていた。

でも、無視して言葉を続ける。




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