善子「──不幸な誕生日。」
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11: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/13(木) 03:11:03.41 ID:OVRkGwzJo

曜「……そうかもね」

善子「……わかった、今回は千歌に免じて付き合ってあげるわよ。」

曜「うん、ありがとう。千歌ちゃん喜ぶよ」

善子「……なら、いいわね」


私がそう生返事を返すとき、バスはゆっくりと駅のロータリーに止まろうとしていた。





    *    *    *





曜に私服に着替えるように言われ、軽く着替えを済ませてから、外に出ると

曜が顔を顰めていた。


善子「どうしたの?」

曜「ん……天気が崩れてきた」


曜に釣られて空を見上げると、雨雲がもくもくと空を包み込んでいた。


善子「明日直撃だったんじゃないの?」

曜「おかしいなぁ……私、体感天気予報には自信あったんだけど」

善子「とりあえず、崩れそうなら急ぎましょ」

曜「う、うん」





    *    *    *





数十分後、十千万旅館前のバス停にて


『お譲ちゃんたち、この雨の中で降りるのかい?』


バス運転手の人がそう尋ねて来る。

外は激しい風雨に包まれていた。


曜「こんなに天気が急に悪化するなんて……」

善子「……」

『他にお客さんもいないし、何なら家まで送ろうか?』


……運転手さんめっちゃいい人ね。


善子「そうした方がいいかもね。……この天気じゃバス停から千歌の家まで行くのも……」

曜「ちょ、ちょっと待って!?あれ!!」

善子「何よ……」



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