39:名無しNIPPER[saga]
2017/07/22(土) 23:22:50.22 ID:NlBQtPKPo
だからこそ、こんな茶化しに茶化された馬鹿みたいな状況でそれに気づいたのは奇跡に近かったのかもしれない。
金色の瞳が強い決意の光を帯びて輝いていることに。
「だから、目の前の女の子とかっ、見ておくと損しないかなぁって、ずっと。それと……させるつもりもないかなぁ。ぜったい、絶対……ですよ」
きっと、俺は遠回しに告白されていた。
少なくとも今、この場で真っ直ぐに好意をぶつけられているのだということは分かった。
―――応えなければいけない。
自然と覚悟は決まっていた。
いや、元々決まっていたのだろう。それを言葉に出す勇気がなかっただけで。
イヴに握られていた掌を握り返す。
か細い声が漏れる。
緊張のせいか、イヴの喉がこくり、と鳴った。
「……ぁっ」
イヴの睫毛が震える。
そして、金色の瞳が涙に潤んだのが分かる。
「少しだけ、聞いて欲し―――」
「のんじゃった」
俺の言葉を遮るようにイヴから放たれる謎の言葉。
……『のんじゃった』なんの話だ。
「ボタン、呑んじゃった」
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