【ミリマス】白石紬「あなたはエッチなのですか?」
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71: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/07/18(火) 20:17:17.05 ID:y1IM1Nwt0
「紬。君をスカウトした理由、俺はまだ話してなかったな」
男の言葉は、ただ流れる。受け止めるべき少女はいまだ、涙を流して座っている。
「一目君を見て、ピンと来た。見た目が良い、声がカワイイ、歳の割には物腰だって丁寧で、
そんな紬に……一目惚れしちゃったんだな、要は」
そうして男が、恥ずかしそうに頬を掻く。
「だから俺は、名刺を渡した。アイドルになってみないかと、君をこっちに誘ったんだ」
すると紬が、顔を伏せたままで反論する。
「それは……呉服屋の白石紬を、あなたは見初めたということでしょう」
「そうだ。今の話を聞いてると、俺はそういうことになる」
「なら、あなたのその目は節穴ですね。本当の私は――」
「分かってる。ただの女の子なんだろう?」
男の言葉に、泣いていた紬が顔を上げた。
ガラス玉は赤く充血し、涙を拭うこともせず、キッと男を睨んでいる。
「またあなたは……軽々しくしたり顔をする」
だが男は、そんな紬を落ち着かせるように手を上げると。
「初めは誰だってそうだとも。中身を知るには、きっかけがなくちゃ」
「……きっかけ?」
「そうさ! こんな風に……本当の君を見せてくれるような機会がね」
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