【ミリマス】白石紬「あなたはエッチなのですか?」
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68: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/07/18(火) 20:11:44.15 ID:y1IM1Nwt0
その時だった。
紬の顔が悲愴に歪み、「愛嬌だけじゃ、ダメなんですっ!」男の言葉を遮って、紬が大きく声を上げた。
その声に驚いたハトがパタパタと遠くへ飛んで行く。
辺りで遊んでいた子供たちも、一瞬二人に目を向ける。
「そんなこと……そんなことで、次のお仕事が入るなら……。芸能界って、とことん甘い」
最後の方は消え入るように。項垂れた紬の肩が震えている。
「……着物が、私を責めるんです」
静々と紬が口にした、その一言も震えている。
「店の、実家の、買い手がつかない着物たちが、私のことを責めるんです。
……見た目は、悪くありません。質だって、確かな……なのに、売れない」
二人の周りから、紬の話し声以外の全ての音が消えたように思える静寂。
そんな中、男はただ黙って話を聞いている。
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