【ミリマス】白石紬「あなたはエッチなのですか?」
↓ 1- 覧 板 20
57: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2017/07/18(火) 19:43:05.58 ID:y1IM1Nwt0
「着物? ……まぁ、嫌いじゃあないよ」
「鼻の下」
「えっ」
「鼻の下が、伸びています」
スッと伸ばされた人差し指が、確認するように男へ向けられる。
その動きも、まったりゆるやか。
刺々しさの欠片も無い。
「着物を着た女性ではなくて、あなた自身のお話です」
「あ、ああ! 俺のね、俺が着る着物のお話ね」
「全く、それ以外の何があると……」
しかし、紬は小さく肩をすくめただけで男を責めたりはしなかった。
それどころか少々納得したように眉根を寄せてはにかむと。
「ですがそれだけ女性好きだからこそ、このお仕事には適任なのかもしれませんね」
「お仕事ってのは……プロデューサーのこと?」
「ええ、もちろん」
言って、紬が軽やかに笑う。だが、対する男の方は複雑だ。
女好きだと思われているのを、否定するには材料が足らぬ。
それに加えて、彼女の変化にも驚いていた。
まさか、こんな風に笑う少女だったとは……。
これまで自分に向けられていた警戒する柴犬のような視線が消えたかと思えば、
今はマダムのようなお淑やかさを以てして、自分と会話を交わしている。
92Res/68.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20