3: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:03:20.90 ID:Xxtt7z4V0
ガヴリール「前は定期的に私の部屋を掃除しにきてたり、自主的に料理作ってくれたり、宿題のわからないところとか、なんやかんや写させてくれたりしてたんだ」
ガヴリール「でも最近あんまり向こうから話かけてこなくなったっていうか、目が合うとバツが悪そうに逸らされるし、こっちから話かけようとしたら何かと理由をつけて逃げられるようになって……かれこれ一週間まともに会話してなくて……」
ガヴリール「もしかして私、ヴィーネに愛想尽かされちゃったのかな……とか一人でいると色々考えちゃうんだよ、はは、私らしくないよね」
4: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:04:51.15 ID:Xxtt7z4V0
ガヴリール「う、うん……なんか今日は寝坊したから先に学校行ってて、みたいなことがずっと続いてて……これって変だよね、絶対」
ラフィエル「ヴィーネさんがガヴちゃんを避けてる……ということですか?」
ガヴリール「ああ、多分な、理由はわからないけど……ほんとに、わけがわからない」
5: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:06:37.14 ID:Xxtt7z4V0
ガヴリール「それで例のごとく部屋を掃除し始めて、私は普段通り気にせずネトゲしてたんだけど、その時にヴィーネが何か言ってたような……」
ラフィエル「何かとは……ガヴちゃん、よく思い出してください、きっと手がかりになるはずです!」
ガヴリール「あ!思い出した、確か……」
6: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:07:11.01 ID:Xxtt7z4V0
ガヴリール「なっ!?マジか……頼むラフィエル、情けないけど私は今のまま生活するのにもう耐えられそうにないんだ……だからなんでもいい、気づいたことを教えてくれ……っ」
ラフィエル「んん、では私の見解を述べさせていただきます。まずヴィーネさんがガヴちゃんを避けてるという点について、これはきっと事実でしょう。続いてその理由ですが、私が思うにヴィーネさんはガヴちゃんのことが…」
ガヴリール「わ、私のことが…?!」ゴクリ
7: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:07:59.05 ID:Xxtt7z4V0
ラフィエル「まあ単刀直入に言ってしまえば、ヴィーネさんはガヴちゃんと友達以上の関係になりたいんですよ、きっと」
ガヴリール「は?なんだそれ、友達以上って…つまり、その、こ……恋人……ってこと……?」
ラフィエル「イエス!正解ですガヴちゃん」
8: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:08:48.38 ID:Xxtt7z4V0
ラフィエル「まあ答えを出すのはガヴちゃんですから、変に意地を張らずに自分の気持ちを正直に伝えれば、どんな結果になってもヴィーネさんはガヴちゃんのこと、決して嫌いになったりしませんよ」
ガヴリール「私の……気持ち……ごめん私、ちょっと用事思い出した。ありがとなラフィエル」
ラフィエル「うふふ、ガヴちゃんらしいですね。では私は陰ながら応援してます」
9: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:09:22.55 ID:Xxtt7z4V0
◇◇◇
ガヴリール「出ろ、出てくれヴィーネ……頼む」
ヴィネット『あ、ガ、ガヴ……どうかした……?』
10: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:09:55.31 ID:Xxtt7z4V0
◇◇◇
「お邪魔します」
彼女が自宅に来るのはなんだか随分久しぶりのように感じられた。事実、ほんの一週間前までは週2〜4回のペースで私の部屋を訪ねて来ていたのだから、そう感じるのも仕方のないことだと思う。
11: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:10:31.47 ID:Xxtt7z4V0
横並びにベッドに腰掛けると、やはりというかお互いに会話の切り出し方を模索しているためしばらく沈黙が続いた。この慣れない空気が私の身体を硬くする。やけに喉が乾く。なんとか声帯を潤わせようと喉を鳴らすが、その音が部屋中に響くほど、この空間は静寂に包まれていた。
ダメだ。こわい。私は彼女に、ヴィーネに嫌われることを恐れていた。ラフィエルの言っていたことがもし間違っていたら?本当はただ単に、ダメな私に愛想を尽かしてしまっただけではないだろうか。いつも彼女に甘えてばかりの私の態度に、とうとう嫌気が差してしまったのかもしれない。こわい。知りたくない。
ヴィーネに、嫌われたくない。
12: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:11:03.95 ID:Xxtt7z4V0
気付けば私の涙腺から透明な滴が溢れていた。
拭っても、拭っても、それは次から次に溢れて、どうも枯れる気配がない。おかげで着ているジャージの袖が大層濡れてしまった。まあそんなこと今はどうでもいい。
こんな状態で意地を張っても仕方がない。
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