12: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/07/10(月) 12:11:03.95 ID:Xxtt7z4V0
気付けば私の涙腺から透明な滴が溢れていた。
拭っても、拭っても、それは次から次に溢れて、どうも枯れる気配がない。おかげで着ているジャージの袖が大層濡れてしまった。まあそんなこと今はどうでもいい。
こんな状態で意地を張っても仕方がない。
私は嗚咽混じりに声を絞り出す。
途切れ途切れに、思ってることを言葉にする。いや、言葉の体を成しているのかどうかもわからなかった。
さぞ相手は聞き取りにくいだろう、なんて思ったけど、私が全てを吐き出し終えるまで、目の前の悪魔は静かに、真剣に、そしていつものように、優しい顔で頷いてくれていた。
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