6:名無しNIPPER[saga]
2017/07/01(土) 13:54:28.45 ID:hQxqBFn90
ジャン 「ありがとう」
一瞬、その手が触れ合って、温かいものが指先を伝わる。
ジャン 「ありがとう、マルコ」
マルコ。
知っている。その名前。
手を振った彼のボートが、水平線に消えて行く。
――マルコ。
僕の、名前――?
昔、私はその名前を指笛の音に乗せて、ここではないどこかの世界に住む
あなたの耳へ届けたの。
「――マルコ」
たとえいつかの世界で私がその名を失っても、寄せては返す波のように、
何度でも思い出して、あなたに会うことができるから。
「マルシア!」
マルシア 「……」ハッ
「マルシア、こっちの部屋にいるのか?」
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