7:名無しNIPPER[saga]
2017/07/01(土) 13:54:55.43 ID:hQxqBFn90
ガチャッ
エレン 「よお!ただいま」ニコニコ
マルシア 「お帰りなさい、エレ……んっ」
チュッ
マルシア 「誰もいなくて、気がつかなくてごめんなさい」
エレン 「日本に出張した功をねぎらうってことで、早く上がれたんだよ。
あー、腹がペコペコだ」
マルシア 「待っててね。糸の始末をしたらすぐに行くから」
エレン 「焦んなって。ゆうべの残りのコールドビーフでも探してつまむからよ。
……日本に行ってる間の分、取り返さねえとな」ニヤァ
マルシア 「……恥を知って」///
エレン 「んだよ、二千年経っても優等生だなお前」ハハハ
パタン…
マルシア 「……」
編みかけのレースを撫でて、考える。
マルシア (私が、エレンを愛おしいと思ったのは)
マルシア (彼が、エレンに似ているから――?それともエレンに似た彼のことを、懐かしく思うの?)
その答えは、ただ一つの『道しるべ』を見つけたら、たぐり寄せることができるの。
荒野の羽の中に埋もれた、私のランタンのありかを、見つけたら。
ガチャッ
マルシア 「お待たせ。シチューはもう出来てるの。…今日はちょっと、自信がないけど」カチャカチャ
エレン 「お前が作ったモンなら、なんでも旨いと思うぜ」
あの日、遠い世界へ向けて放った指笛の音が、あなたの元へ届くころ。
魂の記憶の中に途切れたあなたの名前も、思い出せるかもしれない――。
【終】
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