【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
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67: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/07/28(金) 23:10:35.60 ID:23vyEUVD0
「ま、ちょうどそのお願いを、ユニットのみんなからも聞いてたところなんだけどねー」

 先輩は比奈たちを見渡す。
 比奈は少し恥ずかしそうに笑い、春菜、裕美、ほたるはほっとしたような顔をしていた。

「彼女たちに言われたんだ。ユニットのプロデュースは、引き続きいままでのプロデューサーにやってもらいたいってね。そのとき、お前がボクにプロデュースを引き継がせて辞めるつもりだっていう話も、比奈さんから聞いたんだ」

「みんな……」俺は比奈たちのほうに向きなおる。「心配かけてすまなかった」

「おかえりなさい」

 ほたるが目じりに涙を光らせて言う。

「心配したんだからね。でも帰ってきてくれてよかった」

 裕美が微笑んだ。

「アタシの目に狂いはなかったってことにしとくっスよ」

 比奈がやれやれといった顔で言った。

「生みの親より育ての親。これだけユニットのメンバーに慕われてるんじゃ、ボクの出る幕なんて最初っからなかったって感じだよね」

 先輩は悪戯っぽい目と口調で言った。

「そうすると、あとは……」春菜は言いながら比奈と目を合わせて、頷き合う。「茜ちゃんのこと、ですよね」

「茜? ……なにかあったのか?」

 俺が尋ねると、その場にいた全員が真剣な表情になった。
 先輩が手を挙げて、話し始める。

「発端はボクだね。ボクがユニットのプロデュースを引き継ぐにあたって、最初にメンバーのみんなに連絡をしたときに、茜さんへの連絡が漏れていたんだ。記録を見て、ユニットに茜さんが加わっていたことを知って連絡先を探したけど、茜さんは美城のデータベースに登録されていなくて、見つけることができなかった。あとから、アルバイトとして登録されてたから、データベースでは検索できないことがわかったんだけどね。そもそも、なんでアルバイトで登録したの?」

「あ、そうか……」

 俺は茜をアルバイトで登録していたことを思い出す。
 あのときは、先輩が帰ってきたときに正式登録するかどうか決めればいいと思っていた。
 先輩の復帰が遅くなったことで、すっかり頭から抜け落ちてしまっていた。

 先輩は続ける。

「結局顔合わせの日まで茜さんには連絡をすることができなかったんだ。それでもユニットメンバーが顔合わせの日程を伝えてくれたみたいだから、そのときに挨拶をすればいいと思っていたんだけど……この部屋で茜さんがデータベースに登録されていない、という話をしているところを、部屋の外にいた茜さんに聞かれてしまったみたいでさ。それで、茜さんは自分がユニットから外されたと誤解して、居なくなってしまったみたいなんだよね」

「居なく……? 連絡はとれていないんですか?」

 俺が言うと、比奈たちユニットメンバーはみんな首を横に振った。

「茜ちゃんのアルバイト証がこの部屋の前の廊下に落ちてたっス。それからみんなで連絡を取ろうとしたんスけど、ケータイの電源も切っちゃってるらしくて、どうしたものか……」

「……なるほどな」

 俺は後ろ頭を掻いた。

「プロデューサー、どうしましょう」
 春菜に聞かれて、俺はしばらく考え、頷く。

「戻って早々で悪いが、ちょっと出かけてくる」

「へっ?」比奈が間の抜けた声をあげた。「どこ行くんすか?」

「決まってるだろ、茜を探してくる」

「茜ちゃんを……って、ちょっと、プロデューサー!?」

 俺は戸惑う表情の先輩と四人を尻目に、プロデューサールームを後にした。



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