【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
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66: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/07/28(金) 23:09:11.46 ID:23vyEUVD0
 翌日午前。俺はプロデューサールームの扉を勢いよく開けた。

 朝早くだというのに、プロデューサールームには先輩と、比奈、春菜、裕美、ほたるが揃っている。
 茜だけがその場に居なかった。

「おはようございます! 不在にしてすみませんでした!」

 俺が挨拶をすると、全員が目を丸くした。

「プロデューサー!? どうしたんですか!?」

「すまない、いろいろ説明しなきゃいけないのはわかってる。……けど、ちょっと待ってくれ」

 駆け寄ってきた春菜を、俺は片手を出して制した。
 先に、一番大事なことの筋を通しておきたかった。

「先輩!」俺は先輩プロデューサーの前に立つ。「すいませんでした!」

「あー、いいからさ、顔あげて」

 先輩は頭を下げた俺に軽い口調で言った。

「比奈さんから大体の事情はきいたよ。親御さんの容態は、心配しなくていいんだよね?」

「はい」

「そっか、良かった」

 先輩は穏やかに微笑む。
 このやりとりを聞いている春菜、裕美、ほたるが顔に疑問を浮かべていないところを見ると、俺が親の介護と言って実家に帰ったのは先輩にユニットのプロデュースを引き継いでもらうための嘘だということを、比奈からすでに知らされているのだろう。

「先輩」

 俺は先輩の目を見つめる。先輩は射貫くような目で俺を見つめ返した。
 俺の心の底がひるんだ。だけど、もう小細工はしない。
 しないと決めた。

「このユニットのプロデューサー……俺に、最後まで続けさせてください。もともと先輩が企画したユニットだし、先輩みたいにはできないかもしれない、けど……俺は、こいつらのプロデューサーをやりたい。絶対、こいつらを最高のユニットにします!」

 俺は一礼して、ふたたび先輩を見据える。
 先輩はしばらくのあいだ、俺のことを見定めるかのように、真剣な眼で見ていた。

 それから、ふっと表情を崩して、俺のほうへ近づく。
 すれちがうようにして、先輩は右手で俺の右肩をぽんと叩いた。

「あたりまえだろ? ボクは病気で抜けた身なんだから、そもそもボクがどうこう言える立場じゃない。お前がここまで育てたユニットだよ。最後まで面倒を見るんだ」

「はい!」

「残してくれてた記録や資料を読んだ。それから比奈さんたちユニットメンバーからもきいたよ。立派な仕事っぷりだ。ほんとによくやってくれていたと思う。ボクの企画したユニット、プロデュースは、お前に任せる。よろしく頼んだよ。……『プロデューサー』」

「はいっ!」

 二度目の返事は、声が上ずった。



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