【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
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◆Z5wk4/jklI
[saga]
2017/07/21(金) 20:22:38.22 ID:CDK467qC0
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「それじゃー、いろいろバタバタして悪いんだけど、とりあえずユニットのプロデュースはアイツが戻ってくるまでのあいだボクが引き継ぐから、みんなよろしくね」
すこし軽い感じの声で、先輩プロデューサーはそう挨拶した。
プロデューサールームに集まっていた比奈、春菜、裕美、ほたるの四人はそれぞれに「よろしくおねがいします」と言いながら頭を下げた。
茜は学校ですこし遅れるという連絡が入っていて、まだ到着していない。
比奈はプロデューサールームを見渡した。
もともと、実家に帰ったプロデューサーの私物は多くはなかったが、部屋の中は綺麗に片付いていて、プロデューサーがここにいた痕跡が消えてしまっている。
「手口、鮮やかっスね」
比奈は誰にも聞こえないようにつぶやいて、溜息をついた。
「病み上がりってのもあるんだけど、入院してるあいだは仕事のことはシャットアウトしろってんで、この数か月間のプロダクションのこともこのユニットのこともぜんぜん教えてもらってなくってね。みんなにはちょっと迷惑かけるけど、できるだけ早く追いつくよ。アイツはボクがもともと立ててたスケジュールにだいたい沿ったかたちで進めてくれてたみたいだから、ちゃんと把握するまでそんなに時間はもらわないで済むと思う。改めて、メンバーは……」
先輩プロデューサーは四人を見渡す。
「っ、あの、プロデューサー」
比奈は先輩プロデューサーのことを『プロデューサー』と呼ぶことに若干の違和感を覚えながら、片手をあげる。
「まだ、茜ちゃんが到着してないっス」
先輩プロデューサーは笑顔で頷いた。
「荒木比奈さんだよね。参加してくれてありがとう。アイツ、ちゃんとスカウトにも行ってくれたんだな。ほんとはボクがスカウトにいくはずだったんだけど、倒れちゃったからさ。ごめんねー」
「あ、その……」
比奈はいろいろな想いをいっぺんに飲みこんだ。
比奈にとっては、目の前にいる人物は、本来書類選考で落選になっていたはずの比奈に魅力を見出し拾い上げた人物である。
しかし同時に、この人物が戻ってきたことによって、比奈を実際にスカウトしに来た人物は会社を去ることを決めた。
どちらも比奈の人生を左右した大切な人物。
もし先輩プロデューサーが戻らなければ、という想像が不謹慎だということも理解している。
比奈は自分の気持ちに折り合いがつけられないまま、口を閉じた。
「それで……」先輩プロデューサーが困ったような顔で頭を掻く。「その、いま言ってた茜って子なんだけど……それ、誰なのかな?」
「えっ?」春菜が驚きの声をあげる。「誰って、日野茜ちゃんですよ、このユニットのメンバーの……ね?」
春菜はほかの三人のほうを見る。比奈、裕美、ほたるはそれぞれ春菜に頷いて、先輩プロデューサーを見る。
「うーん、まだ全部資料観れたわけじゃないし、茜って子の名前は報告書にちょいちょい出てくるんだけど……」先輩プロデューサーは腕組をした。「日野茜って名前の子、そもそも美城プロダクションにはいないんだよね」
先輩プロデューサーの言葉を理解できず、全員が固まる。
「ちょっと、それって、どういうこと!?」
直後に、裕美が大きな声をあげた。
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