【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
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45: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/07/21(金) 20:14:47.82 ID:CDK467qC0
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「……と、ここだな」

 窓側に取った新幹線の指定席。荷物を棚に乗せて、俺は席につく。
 平日の昼間、乗客はまばらだった。

 想像していたよりも、実感がないと思っていた。もうすこし気分が沈むかと思っていた。
 自分で自分の感情に蓋をしているのかもしれないと思う。
 もともと、感情に蓋をするのは得意だったしな、と心中で自分を皮肉った。

 座席のリクライニングシートを少し倒す。長い息をついた。
 俺としては、少なくとも合理的な選択であったと思う。
 茜、比奈、春菜、裕美、ほたるの五人が活躍するためなら、俺一人の感情は抑制する。
 そうして、俺よりも優れたプロデューサーに渡す。それが、俺ができる最良のプロデュースだ。

 発車ベルが鳴って、ドアが閉まった。新幹線がゆっくりと走り出す。
 売店で買っておいた缶ビールのプルタブを起こす。小気味いい音が響いた。

 ビールを喉に流し込む。
 こんなに味のしないビールを飲んだのははじめてだった。



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