【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
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43: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/07/21(金) 20:11:26.26 ID:CDK467qC0
 プロデューサールームの中はおおかた片付け終えた。
 改めて眺めてみれば、俺には広すぎる、過大な部屋とデスクだったと思う。

 デスクのモニターの横には、茜たちを撮った写真をスライドショーで流し続けるフォトフレーム。
 俺はそれをしばし見つめてから、パソコンのメールソフトを立ち上げる。
 下書きボックスに保存されたメールを開いた。すでに文面は完成している。
 あとは宛先を入力して送信するのみ。

 俺は茜、比奈、春菜、裕美、ほたるのアドレスを入力して、ひとつ呼吸をしてから送信ボタンを押す。
 あまりにもあっけなく、メールは送信された。


 サマーフェスが終わってから心に決めていたことがある。
 俺はあいつら五人をできる限り高いところまで連れて行く。そのためなら手段を選ばない。
 プロダクションでもトップクラスの敏腕プロデューサーである先輩が戻ってきたいま、とるべき選択肢はひとつ。
 俺が居なくなること。そうすれば、もとの通りに先輩が茜達五人をプロデュースすることになる。
 それがいちばん、あいつらが輝ける確率を高くする。
 なぜなら、先輩は敏腕だから。
 なにもおかしなことじゃない。
 先輩プロデューサーが過労で倒れた。
 それを俺が引き継いだ時から、この結果になることは決まっていた。

 俺はパソコンとフォトフレームの電源を落とす。
 鞄にフォトフレームをしまうかどうか一瞬悩んで、結局置いていくことにして、卓上に伏せて置いた。
 財布と手帳以外に大して荷物も入っていないビジネスバッグを乱暴に担いで、俺はプロデューサールームの照明を消すと、部屋を後にした。

 
 そんなに複雑な計画ではない。
 先輩の復帰に合わせ、俺の親が急病になったことにして、介護のために休暇をとる。
 そのあいだのユニットの対応を一時的なものとして先輩に預ける。
 もともと、先輩が立てたスケジュールに俺が肉付けしたのだから、先輩が担当するのがいちばんスムーズだ。

 あとはそのままずるずる休暇を引き延ばして、フェードアウトするだけだ。
 俺が必要なくなった頃に正式な退職願をだして、借家の荷物の引き上げをすればいい。

 五人に送ったメールも、急に実家に戻る必要が出たから、不在のあいだの対応をもともとのプロデューサーである先輩に頼んでいるという内容だ。
 同じ内容で上司と先輩にも連絡済み。
 実家の住所は美城プロダクションの誰にも知らせていないから、追跡することもできない。
 俺のプロデューサーとしての経歴は、こうしてひっそりと幕を閉じる。



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