【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
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34: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/07/15(土) 00:19:52.22 ID:JPdS/Cks0
「あー……茜、みんなの分のドリンクをなにか買ってきてくれないか」

 俺は茜に千円札を渡す。

「わかりました!」

 茜は控室の扉を開け、出ていこうとする――と。

「なんで急に降りだしてんだよ、意味わかんねぇな」

「あれだろ、ほら、不幸アイドルの……」

 外の会話が部屋の中に聴こえてきた。

「おい、聴こえるぞ、ドアが……」

「やべ」

 声は遠ざかっていく。
 茜はドアの前に立ち尽くしていた。
 間が悪すぎる。俺は思わず片手で顔を覆った。
 まさか、本当にほたるの不幸が原因なのか――? と、一瞬疑い、すぐにその考えを頭から追い出した。
 ほたるはずっと、机の上のなにもないところを見つめている。

「っと、すいませーん、出演者のかたと、プロデューサーさん……」

 別の声が聞こえて、俺はドアのほうを見た。
 茜がドアの前から離れる。開いたままのドアの前には会場の男性スタッフが立っていた。

「すいません、見てのとおりの天気で、ちょっと開演を見合わせています、どうなるかわからないですが、ひとまず待機していただいて……続報、またお伝えしますんで」

「わかりました」

 俺が返事をすると、男性スタッフは去っていった。
 茜が扉を閉める。
 窓の外はまだ強い雨風が続いていた。
 沈黙。
 俺がもう一度茜にドリンクの買い出しを指示しようかと考えていたときだった。
 ほたるが、ぽつり、と話し始める。

「わたし、大丈夫ですよ……すみません、ずっとこうなので、もう、慣れてしまいました」

 ほたるはそういって笑顔を見せる。

「ほたるちゃん……」

 春菜がかすれた声でつぶやいた。

「頑張っても、どうにもならないこともあります。……でも、アイドルは、やりたくて……でも」言いながら、ほたるは迷うように視線を泳がせる。「みなさんに、迷惑がかかってしまったら……私のせいで、ユニットに、なにか悪いことが起こったら……」

 俺たちが黙っていると、茜がゆっくりと一歩、ほたるのほうに歩いた。
 ほたるは、笑顔のままで、俺たちのほうを見て言う。

「やっぱり私、このユニットから、いな――」



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