61:名無しNIPPER[saga]
2017/07/02(日) 21:47:50.84 ID:6I4O0NUkO
「悔しくてもいいの?」
曜ちゃんが頷いた。
「梨子ちゃんが好きでもいいの?」
梨子ちゃんが頷いた。
どうして?
それは、成り立つものなの?
心は、どこにあるの?
どこに向かっているのか、分からないよ。
向かう先はあるの?
それでも、一緒にいられるなんて、そんな奇跡みたいなこと――。
「みんなを傷つけるかもしれないよ?」
「千歌ちゃんが、優しい事知ってるよ」
曜ちゃんの手に力がこもる。
「でも、優しいだけじゃ、結局、誰かが傷を負うことになるから、それならみんなで痛い思いしようよ」
「みんな……」
口が震えて、上手く喋れない。
「だからね、痛い時は痛いって言い合おう」
梨子ちゃんが、私の頬にキスをした。
その反対側から、曜ちゃんが。
「「ね」」
二人の声が、重なった。
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