59:名無しNIPPER[saga]
2017/07/02(日) 21:17:42.06 ID:6I4O0NUkO
「ね、呆れるよね」
梨子ちゃんが言った。
笑っている。
「わ、私は、曜ちゃんのこと嫌い」
半ば、やけくそだった。
曜ちゃんが好きとか言うから。
たぶん照れ隠しもあったんだけど、思いの他、曜ちゃんにしっかりと刺さっていた。
「ち、千歌ちゃん……やっぱり、そうだよね。ど、どこが嫌なの?」
「……」
「はっきり言って、千歌ちゃん」
「言うよ?」
「うん」
「本当に、言うよ?」
「いいってば」
「打たれ弱い癖に、無謀なことするとことか、要領良くて私のできないこと簡単にやってのけちゃうとことか、梨子ちゃんに好かれてるとことか、私のこと相手にもしてくれてないとことか……」
「……一緒にいるのも嫌?」
それには答えれなかった。
私は、項垂れる。
「それは、嫌じゃない……よ」
「そっか、良かった」
嬉しそうな顔をする。
さっきまでの、酷い言葉の数々聞いてたのかな?
「あー、でも、一瞬で振られちゃった……あはは」
「どんまい、曜ちゃん」
梨子ちゃんが曜ちゃんの肩に手を置く。
「変だよ、梨子ちゃんも」
二人とも、おかしいよ。
「私は……悔しくて、悔しくて、死んじゃいそうで。でも、死ぬのは怖いし、せめて曜ちゃんに近づきたい。梨子ちゃんにも近づきたい……二人が私を置いて幸せになるのは嫌だ。嫌で、嫌で、嫌で……そんなこと思ってて……だから、二人は、怒るべきなんだよっ、私の事。そうじゃなきゃ、ダメだよっ」
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