モバP「雪の頃のとんぼ返り」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/26(月) 19:30:52.08 ID:sKp9/69N0
そんなやりとりをしながら、俺は現役時代の思い出を振り返っていた。
スカウト、オーディション、事務仕事に、送迎。
時には泊りがけのロケでついでにバケーションしちゃったり。
最初期の頃はレッスンなんかも俺がやってたっけな。懐かしい。

俺が物思いに耽ってると、薫が

「せんせー、全部握れたよー!」

と声をかけてきた。

「おお、もう握り終わっちゃったのか。早いな」

「かおるの得意分野だもん!」

「餅は餅屋、おにぎりはおにぎり屋だな」

「かおるはアイドルだけどねー!」

「はは、そうだったな」

「よし、握り終わったし、もう一回手を洗ったらリビングでいただきますしようか」

「はーい!」

鼻がムズムズする。おにぎりにかけてはまずいと思い、左を向いた。

「へっくし!」

「あ……せんせい、大丈夫?」

「ぐし……あぁ、大丈夫だ。これくらいなんてことないよ。薫は暑くないか?大丈夫か?」

「あ、かおるはだいじょうぶ……」

「そうか、ならいい」


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