7:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:37:18.11 ID:mht4CVJf0
『それと杏奈ちゃんにどう言う関係が』
『実はですね。これを杏奈ちゃんにあげて欲しいんです』
『…………? 自分であげれば良いんじゃないですか?』
8:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:39:12.37 ID:mht4CVJf0
「もちろん断ったからね。安心して、杏奈ちゃん」
「ぐぅ…………えへへ……」
亜利沙さんもよくあんなこと思いつくなぁ。杏奈ちゃんの使用済み枕カバー、なんてさ。
まあ確かに、そんなものがあったら自分の枕につけて寝るたびに杏奈ちゃんの匂いを堪能するけどね。
9:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:39:49.32 ID:mht4CVJf0
「感触を楽しむのは、セーフだから……!」
「んぎゅ………………」
杏奈ちゃんが苦しそうな声を出したので指を離す。するとすぐに甘やかな表情に戻っていった。……私はなんということをしてしまったのか。杏奈ちゃんの眠りを妨げるなど……うう、反省。
しかし、触るのがダメとなると……嗅ぐしか、ない。
10:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:40:22.43 ID:mht4CVJf0
「百合子、さん……?」
「ひいぃ!?」
あと数ミリ、そんな距離を残して私は潜水艦のごとく浮上させられた。
11:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:40:56.66 ID:mht4CVJf0
「もうこんな時間!?」
「杏奈、二、三時間も寝てたんだ…………」
私の思っていた数倍は時針が回っていたようで、よく見たら窓の外は夜の帳が下りてきていました。
門限もあるし、早く帰らないと!
12:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:41:22.46 ID:mht4CVJf0
「百合子さん……。さっき、杏奈に顔を近づけて、何してたの…………?」
「え、えぇ!?」
まさかの追求。
杏奈ちゃん、寝ぼけてて誤魔化せるかな、と軽く見ていたけれどまったくの検討違いのよう。
13:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:41:52.05 ID:mht4CVJf0
ど直球の言葉が私の胸に突き刺さる。
す、好き。杏奈ちゃんのことを? 好きの定義によるよね。親愛的な意味だったら大好きだけど、恋愛的に好きかは別だし。
ただ一緒にゲームしたり、匂いを嗅いだり、触ったりしたいだけ――――いや、
そうだ。これはもう恋でしかない。
14:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:42:29.41 ID:mht4CVJf0
「杏奈も、好き……。百合子さんも、だからじっと見てたんだよね…………?」
「あ、えっと」
言わなきゃ。見ていたのはパーカーじゃなくて杏奈ちゃんだって。
だけど、振り絞った度胸が空振りした今の私にはそれは荷が重く……。
15:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:00.46 ID:mht4CVJf0
「……うん! いいね、行こうよ杏奈ちゃん!」
そう言うと杏奈ちゃんは嬉しそうに笑顔を晒してくれた。
お買い物、二人でお買い物。つまり、
16:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:27.36 ID:mht4CVJf0
「あっ、こっちこっち。杏奈ちゃん!」
「おはよう、百合子さん……。おまたせ…………」
紫陽花色のルーズなワンピースに身を包む天女――――杏奈ちゃんがぱたぱたとこちらへ駆けてくる。可愛い。
今日は待ちに待った土曜日。天気はちょっとイマイチだけど問題ないよね。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:53.45 ID:mht4CVJf0
普通に考えればあのパーカーが売ってるお店だけど、それだとすぐにこので、デートが終わっちゃう。
私としてはもっと長引かせたいところ。
そんな風に思っていると、 杏奈ちゃんの視線がある広告に集まっているのを見つけた。
何見てるんだろう。と、視線を追うと、
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