22:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:46:46.86 ID:mht4CVJf0
アイスコーヒーを口にする。……苦い。素直に甘い飲み物にすれば良かったかも。
ちらりと杏奈ちゃんに目線をやると、杏奈ちゃんはアイスココアを口にしていた。甘い、可愛い。
「ビックリしたー。急に雨が降るんだもん……」
「杏奈、お母さんに二人分の傘持って来てもらうね…………? 家、結構近いから……」
23:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:47:29.44 ID:mht4CVJf0
「百合子さん……。ココア、飲む…………?」
「あっ、良いの?」
「うん…………」
24:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:47:57.71 ID:mht4CVJf0
「あ、ありがとうございます! 傘とか、シャワーだけじゃなくて、夕飯まで!」
と、私。
「もう時間も遅いから、泊まっていけば?」
25:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:48:36.88 ID:mht4CVJf0
というわけで、今、私は杏奈ちゃんの寝間着を借りて、杏奈ちゃんと一緒に今日買ったゲームと洒落込んでいた。
ついでに、今日買ったあのうさ耳のルームウェアを着て、杏奈ちゃんとお揃いな感じである。
「百合子さん、支援お願い……」
「うん。『揺り動くは輝きの花弁。ホーリーヒーリング』!!」
26:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:49:04.68 ID:mht4CVJf0
「百合子さん……。肩、借りるね…………」
「あ、杏奈ちゃん」
そう言うと杏奈ちゃんは私に寄りかかる。杏奈ちゃんからは疲れが見えて、それだけさっきのバトルに全力だったんだってことが伝わってきた。
時計を見上げると、そろそろ日付が変わりそうだ。
27:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:49:33.06 ID:mht4CVJf0
「杏奈ちゃん……もう寝ちゃった。それだけ今日のデートを楽しんでくれたなら、嬉しいな」
「ぐう……」
ベッドで眠る杏奈ちゃんを覗き見る。純真な表情を浮かべて、楽しい夢でも見ているのか偶に「えへへ」なんてこぼしている。
と、ここで私の脳裏に電撃が走ります。
28:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:50:01.15 ID:mht4CVJf0
「あ、杏奈ちゃん。寝てるよね?」
「ぐう…………」
杏奈ちゃんは寝ているみたい。
私は1回目よりも精錬された動きで杏奈ちゃんに這い寄ります。そして、同じく1回目よりも少ない罪悪感で行動を進める。
29:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:50:31.05 ID:mht4CVJf0
「あ、杏奈ちゃん。い、い、今のはそうじゃなくて……」
「うん……。分かってるよ……百合子さん…………」
というと、杏奈ちゃんは自分の桃色のうさ耳フードを指差す。そうそう、この前と同じ流れだよね。
白々しくも私はこの前と同じ流れに乗ることにする。
30:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:50:58.35 ID:mht4CVJf0
………………え?
今、杏奈ちゃん。なんて言ったの?
頭がクラクラしてきそう。もしかして私はゲーム中に寝落ちしていて、今の状況は私の夢の中だったりするんだろうか。
だって、こんなの、おかしい。
31:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:51:27.87 ID:mht4CVJf0
でも、ここは怒るところじゃなくて、
杏奈ちゃんは優しく、そしてどこか妖艶さを含んでいる笑顔をして、言った。
「一緒に、寝よ……?」
「――――よ、よろしくお願いします」
32:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:51:53.57 ID:mht4CVJf0
「杏奈ちゃん。好きだよ」
「うん。杏奈も…………」
言ってしまった。
本当はもっとロマンチックなシチュエーションで言いたかったのになぁ。
41Res/27.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20