22:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:46:46.86 ID:mht4CVJf0
アイスコーヒーを口にする。……苦い。素直に甘い飲み物にすれば良かったかも。
ちらりと杏奈ちゃんに目線をやると、杏奈ちゃんはアイスココアを口にしていた。甘い、可愛い。
「ビックリしたー。急に雨が降るんだもん……」
「杏奈、お母さんに二人分の傘持って来てもらうね…………? 家、結構近いから……」
そう言ってスマホを手に取る杏奈ちゃん。ここは御言葉に甘えることにしよう。
あの後、昼ご飯を食べたり、ゲームセンターで対戦したりと一しきり楽しんで名残惜しくも帰ろうとした時だった。
急に天気が崩れて、傘のない私たちはこの喫茶店から出れないことになってしまった。
「お母さん、持って来てくれるって…………」
「ありがとう! 杏奈ちゃんのお母さんにもお礼言わなきゃ」
ここは駅から少し歩く必要もあるから、傘なしではなかなか厳しい。杏奈ちゃんのお母さんには感謝しても感謝しきれない。
そう思うと、アイスコーヒーも一層美味しく感じるというもの――苦っ、普通に甘い方が良かったかも。
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