15:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:00.46 ID:mht4CVJf0
「……うん! いいね、行こうよ杏奈ちゃん!」
そう言うと杏奈ちゃんは嬉しそうに笑顔を晒してくれた。
お買い物、二人でお買い物。つまり、
16:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:27.36 ID:mht4CVJf0
「あっ、こっちこっち。杏奈ちゃん!」
「おはよう、百合子さん……。おまたせ…………」
紫陽花色のルーズなワンピースに身を包む天女――――杏奈ちゃんがぱたぱたとこちらへ駆けてくる。可愛い。
今日は待ちに待った土曜日。天気はちょっとイマイチだけど問題ないよね。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:53.45 ID:mht4CVJf0
普通に考えればあのパーカーが売ってるお店だけど、それだとすぐにこので、デートが終わっちゃう。
私としてはもっと長引かせたいところ。
そんな風に思っていると、 杏奈ちゃんの視線がある広告に集まっているのを見つけた。
何見てるんだろう。と、視線を追うと、
18:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:44:33.17 ID:mht4CVJf0
「売り切れてる――――!?」
「うん……。結構、人気のやつだから…………」
なんということでしょう。急いで店に向かうも、目の前で最後の一つを掠め取られてしまう惨事に。
そんな……、
19:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:45:00.20 ID:mht4CVJf0
「もっと言えば……杏奈がもう少し早く此処に来てれば……」
「それを言うなら、私が先にゲーム屋行くなんて言わなければ……」
気まずい沈黙が私たちの間に生まれてしまう。杏奈ちゃんを責めようなんて全然思わないのに、本人からしたらこういうの気にしちゃうよね。
どうにかしないと、と周りを見渡す。すると、
20:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:45:28.15 ID:mht4CVJf0
「完全にお揃いってわけにはいかなくなっちゃったけど。…………どうかな、このルームウェア」
私が身に纏うのは薄い黄色に、同じく淡い青色のラインの入ったパーカー。
そして頭部には杏奈ちゃんとお揃いで、うさ耳が付いている。
うん、こっちの方がしっくりくるよ。
21:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:46:14.41 ID:mht4CVJf0
「ひゃあああああああああ」
「ゆ、百合子さん……! あそこで一旦雨宿りしよ…………!」
杏奈ちゃんが指差す方向に私もついていくことに。目的地は喫茶店。とりあえず屋根のあるところへ、という感じ。
自動ドアの中へ飛び込んでいく。鼻をくすぐるコーヒーの香りが落ち着かせてくれた。
22:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:46:46.86 ID:mht4CVJf0
アイスコーヒーを口にする。……苦い。素直に甘い飲み物にすれば良かったかも。
ちらりと杏奈ちゃんに目線をやると、杏奈ちゃんはアイスココアを口にしていた。甘い、可愛い。
「ビックリしたー。急に雨が降るんだもん……」
「杏奈、お母さんに二人分の傘持って来てもらうね…………? 家、結構近いから……」
23:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:47:29.44 ID:mht4CVJf0
「百合子さん……。ココア、飲む…………?」
「あっ、良いの?」
「うん…………」
24:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:47:57.71 ID:mht4CVJf0
「あ、ありがとうございます! 傘とか、シャワーだけじゃなくて、夕飯まで!」
と、私。
「もう時間も遅いから、泊まっていけば?」
25:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:48:36.88 ID:mht4CVJf0
というわけで、今、私は杏奈ちゃんの寝間着を借りて、杏奈ちゃんと一緒に今日買ったゲームと洒落込んでいた。
ついでに、今日買ったあのうさ耳のルームウェアを着て、杏奈ちゃんとお揃いな感じである。
「百合子さん、支援お願い……」
「うん。『揺り動くは輝きの花弁。ホーリーヒーリング』!!」
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