234:名無しNIPPER[saga sage]
2017/06/29(木) 01:11:44.74 ID:mwOZ0t6Co
そして、アイリスは意識が薄れゆく真姫の前に座った
(真姫様……聞こえますか……?)
「……」
真姫は応えなかったが、瞳はアイリスを捉えていた
(全部終わりましたよ)
「…………」
その声に真姫は薄く笑った
そして、口を動かした
「――……」
声にならない真姫の声
だが、アイリスだけは聞こえていた
心の声に耳を傾けるアイリスの能力
出会った時からアイリスは真姫の声を聞いていた
苦しそうな声、悲しそうな声、辛くどうにもならない声
鬼であるアイリスはその声にどうすることもできない
気持ちを理解し同情することもなかった
だけど、穂乃果が真姫の心を開いた時
アイリスは不思議と嬉しく感じた
それを主である真に伝えると
友達になれるんじゃないかと言われた
鬼であるアイリスと人間である真姫の間でそれはあり得ない繋がりだった
それは不可能だとアイリス自身が思っていた
その必要も感じてはいなかった
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