221:名無しNIPPER[saga sage]
2017/06/27(火) 13:21:01.78 ID:gtFhDy4Ho
(真姫様、早くこの場を離れてください)
「え……で、でも……っ」
「すぅ……すぅ」
寝ている穂乃果を抱えては移動することはできない。
その時。
「―――はぁっ、はぁ」
金縛りにあっていた彼女が動いた。
アイリスが彼女を縛っていた力が無理やり解除されたからだ。
(あれが、伊予様の対なる者……――疫病神)
廊下の奥から姿を現したのは少年だった。
中性的な顔立ちで英国の子供の服装を身にまとっている。
「そっちが出てくるのは、フェアじゃないよね。だからボクも干渉させてもらうよ」
子供の姿をした者が歩みながら言った。
(……あなたが、彼女を唆したのですか?)
アイリスが問う。
「これはテレパシー? 君は何者なの?」
(アイリスは、鬼です)
何度も何度も少年を縛り付けるよう力を使うアイリス
だが些細なことのように気にも止めずに歩いてくる少年
「ボクは手紙を届けただけ。ここまで来られたのは彼女の運さ」
(…………)
「……アリス……私は間違えているの……?」
状況が理解できない彼女が呆然とした顔でつぶやいていた。
「鬼か……そうか。……でもボクは疫病神じゃないよ。
あんなねっちりとした性格じゃないからね」
(……真姫様、早く逃げてください)
「で、でも……っ」
287Res/369.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20