220:名無しNIPPER[saga sage]
2017/06/27(火) 13:16:30.25 ID:gtFhDy4Ho
「あいちゃんっ……ほのかちゃんをったすけてっ」
その姿を見ても怯まない真姫は叫んだ。
(この人が事件の犯人なのですね。……迂闊でした)
「ぁ――ぁぁ――」
穂乃果を抱える彼女は何が起こっているのか理解できていない。
身動きできないでいた。
悪魔の姿をした少女が、眠る穂乃果をゆっくりと引きはがす。
(校内に侵入してくるとは……。申し訳ありません、真姫様)
「うぁぁぁんっ……ほのかちゃんっほのかちゃぁぁんっ」
「…すぅ……」
傷一つなく真姫のところへ運ぶと大声をあげて泣いた。
(今、手錠を壊します)
人差し指で触るとそれが壊れた。
不安と恐怖でいっぱいだった真姫の心が穂乃果を抱きしめると安心してさらに泣いた。
「もう大丈夫だよ、だから泣かないで真姫ちゃん」
少女が抱えている人形が喋り、真姫に話しかけた。
「うんっ……うんっ……あり…がとう……ウーパちゃんっ」
「これくらいどうってことないさ。ね、アイリスちゃん」
人形が少女、アイリスに話しかけた。
(はい。危なかったですが穂乃果様の強い声が届きました。それに気づけて良かっ――)
笑顔で言いかけたところでアイリスの顔が廊下の向こうへと動いた。
「……?」
アイリスが視た方向へ真姫も視線を動かす。
すると
廊下の向こうから小さな足音が聞こえてきた。
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