神様、どうか彼らを御助け下さい。
1- 20
31: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/25(日) 02:04:05.90 ID:zKrhlsv70

 理由はわからない。ただ、それが何らかの能力によるものだというのは、大方の予想だった。俺だってそう思う。物理的な干渉は不可能で、落ちてくることもない代わりに、処理もできない。あれは死のモニュメントだ。
 内乱の遺物として語り継がれると同時に、能力者側に対しても、政府側に対しても、行き過ぎた排除を制止させる――もう一度あんなことになってもよいのか? と。

 今のこの平穏が仮初のものであったとしても、稀有といられる時間が最大限確保できるのならば、俺は大して不満はなかった。

 軋轢がないと言えば嘘になるだろう。科学では解明できない存在らしいのだ、俺たちは。利権だとか、武力だとか、そういった面倒くさいことがどうしたってついて回る。自衛のための都市。それが陣内崎のもう一つの姿。
 ただし、それに輪をかけて胡散臭い話がてんこ盛りになっているのが現状でもあった。どんなことでも起こりうるとはいえ、都市伝説染みた逸話が、存在が、まことしやかに噂されている。
 もしかすると俺たちが知らないだけで稀有が都市伝説扱いになっているかもしれないのだ。どんな殺人事件も解決してしまう名探偵、とかなんとか。

 ありえないと思っていても、ありえるかも、と思ってしまう。
 まったく厄介な都市である。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
38Res/30.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice