2:名無しNIPPER
2017/06/22(木) 00:49:53.58 ID:ypqxdl+p0
「みりあちゃんが、先日そちらに逝きました。
眠る様に安らかな最期だったそうです。
……シンデレラガールズは私・みく一人になりました
今年で95歳になります。
体のあちこちが弱ってしまったけど、まだ生きています」
老婆こと・みくは、墓前で挨拶を済ませると、
ウイスキーの瓶の蓋を開けて中身を墓石にかけた。
そして、ウイスキーの空き瓶を地面に置き、
白百合の花束を墓前に捧げた。
みくは、合掌して墓石を拝んだ。
「リーナちゃんはウイスキーが好きだったよね。
『ロックならウイスキーだ!』って言って飲んでいたけど……
お酒弱いくせに飲み過ぎるから、
介抱する私たちは大変だったんだよ。
そんな事もずっと昔の出来事だね……」
みくは、空を仰いだ。
燦然と輝く日輪が、巨大な入道雲を照らしている。
「アイドルを辞めた後、二人は別々の道に進んだね。
私は演劇の道に進み、リーナちゃんは歌手の道に進んだ。
夏樹ちゃんと一緒にグループを組んでいたね。
夏樹ちゃんが、バイク事故で逝った時は、
リーナちゃんかなり乱れていたよね。
毎日毎日……泥酔して周囲の物を壊して……
『なつきちが死んだなんで嘘だ!』
『なつきち! 独りにしないで!』
……って繰り返しながら泣いていた。
あの時、私はこう言ったよね。
『みくがついてるよ! リーナちゃんは独りじゃない!』
リーナちゃん。私の胸元に飛び込んで泣きじゃくった。
あれから……もう50年経つんだ」
14Res/7.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20