【ミリマス】ザ・ミリオンオールスターズ! 〜銀河の果てまで届けちゃいM@S〜
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92: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/06/27(火) 19:17:41.93 ID:c8riKZqL0

 ……笑い続け、むせた。

「は、春香……さん?」まるで奇異なるモノを見るような顔をして、ひなたが彼女に声かける。

 辺りを包む異様な雰囲気。その場にいる全ての者が、突然過ぎる少女の態度の変貌と、
 そんな彼女の足元で凛々しく構える助っ人の姿に釘付けだ。

「ま、まさか……嘘やろ?」

 そしてまた、助っ人の名を誰よりも先に口にしたのは奈緒だった。

 長く苦しい旅路の果て、生き別れた家族と再会を果たしたかのように
 わなわなと震える体、今にも泣き出しそうな顔。

「アオノリっ! い、生きとったんかぁ〜!」

 奈緒が、歓喜の声を上げた。

 ……『アオノリ』、それはまだ彼女がテロリスト軍に籍を置いていた頃に出会った相棒。
 共に幾多の死線を潜り抜けて来た戦友であり家族。

 アイドルフォースとの戦いの最中、秘密兵器『トリニティ』が満載された輸送機から奈緒を海上へ逃がすため、
 墜落する機体と共に海の底へ沈んだものと思っていたが……。


「フフッ、フッ、ふぅ〜……。そう! そのアオノリで間違いないわ」

 ようやく笑うことを止めた春香が、足もとに立つアオノリを指さし頷いた。

 機械で作られ核で動き、電子の頭脳を持つ超高性能ロボット犬。
 しかし何故、それを彼女が呼び出せたのか? 

 釈然としない表情を自分に向ける奈緒に説明するかのように、春香がゆっくりと言葉を続ける。

「随分と驚いているようだけど、この子を造ったのは何を隠そうこの私。
 デストルドーに響と一緒に送ったハズの試作機が、どんな経緯でアナタの手に渡ったのかは知らないけども」

 そうして、春香は懐から何かを取り出した。
 まるで百円ライターのようなその物体が何なのか……? 

 次の瞬間、春香の思惑を察した奈緒の顔が一瞬の内に強張った。

「は、春香! アンタ……!」

「フフ、気づいたようね?」

 春香が、不敵な笑みで辺りを見渡す。

「海底に沈んだトリニティ、その回収作業で偶然見つけたこの機体。
 こんなこともあろうかと準備していて良かったわ……自爆装置を、追加して」


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