104:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 02:19:22.07 ID:smyUCZOA0
しばらく上を向いて黙っていた曜ちゃんは、くしゃくしゃに顔を歪めて、吐き捨てるように叫んだ。
曜「い、やだ。いやだ、嫌だっ!」
曜「だって! だって、私にとって、千歌ちゃんは! たった1人なんだよ!」
曜「パパも、そうだよ! 私にとっては、たった1人、たった1人の―――」
千歌「……曜、ちゃん」
曜「ねえ、千歌ちゃん、本当に? 本当に何にも知らないの? 一緒に泳いだことも? パパが教えてくれた釣りも?」
曜「一緒に……一緒に水泳部に入ったことも?」
千歌「……うん」
曜「ほんとに何にも? バーベキューに行ったことは? お祭りに行ったことは? 中学校は? 小学校は?」
千歌「……お祭りでも、バーベキューでも、小学校でも中学校でも、私は曜ちゃんと一緒だったよ」
曜「違うっ!! そんなこと聞いてない! 私と、『私』とっ!!」
肩をがしっと掴まれる。
千歌「痛いよ、曜ちゃん……」
痛かった。肩なんかより胸の方が、ずっとずっと。
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