97: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 22:55:24.96 ID:5UUNa7QZ0
「うん。まあ、そうだね」
少しの沈黙のあと、私は言った。
「言えば良かったよね、サンセットノスタルジーのこと」
「別に、そんなことないよ。未央ちゃんのことだもん」
「うんうん、やっぱり言わなきゃ駄目だったんだよ。あーちゃんも茜ちんも、大事な仲間なんだもん」
もちろん。これは私の活動だ。ポジパは関係がない。わざわざ言う理由もない。
でも、言わない理由もない。
あーちゃんに言えなかったのは、別の理由だった。
「私ね……怖かったんだよ。サンセットノスタルジーをやるの、あーちゃんに嫌って言われたらって」
だから言えなかった。
もし相談してあーちゃんが拒否したら、私は説得できただろうか。自信がなかった。
それで喧嘩にでもなったと、怖かったから。
本当は、ずっと分かっていたことだった。
でもそれを認めたくなくて、気付かないふりをしていた。
「そんな訳ないのにね。あーちゃんが嫌なんていう訳、なかったのに」
私が曖昧な態度を取ってしまったせいで、かえって妙な距離感になってしまった。
「だってあーちゃんなら、私のやることを応援してくれるはずだもん」
あーちゃんは黙って話を聞いていたけど、やがて微笑んだ。
「ずるいなあ、未央ちゃんは。そう言われたら、応援するしかないじゃない」
その言い方はちょっと拗ねたようで、とても可愛かった。
165Res/216.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20