96: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 22:51:54.77 ID:5UUNa7QZ0
「少し話せない?」
「……いいけど」
「じゃあ、私達は先に帰ってるわね」
と、くみちー。みうみうは不可思議そうに首をかしげた。
「えっ、みんなで帰ればいいんじゃない?」
「いいから」
くみちーはみうみうの背に手を添えて促した。みうみうは状況が飲みこめていないようだが、くみちーに従った。
「えっと。じゃあね。未央ちゃん、藍子さん」
「お疲れさま」
「うん、お疲れ」
二人は廊下の角を曲がっていく。私は二人の背中を見送った。
どうやら、くみちーが気を使ってくれたようだ。
「良かったの? 二人と一緒に帰らなくて」
「うん。今はあーちゃんと話したかったから」
「……」
「あーちゃん、部屋の方に用事?」
「うん。ちょっと忘れものを取りに」
「なら、私も付き合うよ」
私はあーちゃんと並んで、来た道を戻っていく。
先ほどまではあんなに騒がしかった廊下が、急に静かになったように感じた。
「サンセットノスタルジー、企画通ったんだね」
あーちゃんの言葉に、私は驚いた。
「どうして」
知ってるの。言おうと思って、答えを聞く前に理由に思い当たった。
「美羽ちゃんが持ってた企画書、サンセットノスタルジーのでしょ?」
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