95: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 22:50:33.93 ID:5UUNa7QZ0
みうみうとその人影はぶつかって、二人とも倒れてしまった。
「うきょあ!?」
「きゃっ」
ぶつかった相手に気付いて、私ははっとなる。
「あーちゃん!」
私は慌てて二人の元へ駆け寄る。あーちゃんは尻もちをついてしまい、バッグが床に転がっていた。
みうみうも同じようでお尻をさすっていたが、すぐにあーちゃんに謝った。
「ごめんなさい、藍子さん」
「うんうん。私こそうっかりしてたよ。美羽ちゃん、怪我はない?」
「あー。たぶん大丈夫です!」
あーちゃんは、みうみうが落とした企画書を手渡す。ぺこぺことみうみうが頭を下げた。
「ホントごめんなさいー!」
「良いって、もう」
「大丈夫、藍子」
「あっ……久美子さん」
かけよってきたくみちーをあーちゃんは見上げる。
それから改めてみうみうを見て、最後に私へ眼を向けた。胸の内がチクリとする。
私は手を伸ばす。
「あーちゃん」
「……ありがとう、未央ちゃん」
浮かべた笑みは、どこか力なくて。
あーちゃんの柔らかな手を掴み、私はあーちゃんが立つのを手伝った。
くみちーもみうみうに手を伸ばす。
「ほら、いわんこっちゃない」
「うう……ゴメンなさい」
立ちあがったみうみうは、改めてあーちゃんに謝る。
「ほんと気にしなくていいから。私も、ちょっとボーっとしてたし」
それからあーちゃんは言った。
「それじゃあ、私は」
「あー、ちょっと待って」
去ろうとしたあーちゃんを私は呼び止めた。
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