94: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 22:47:19.60 ID:5UUNa7QZ0
プロデューサーが私達に企画書を配る。
出来あがった企画書を、ドキドキしながらめくった。
「テーマは『Restart』だ。新しいスタートとして、改めて舞台に立つ。リバイバルじゃなくて、リメイクってことだな」
衣装は以前にみた白い服を基礎に、銀河を思わせる星が散らされていた。
歌う曲は新しい衣装に合わせた『ミツボシ』のアレンジバージョン。デモを聞かせてもらったが、私とくみちーでやったバージョンとはまた違う。
「まさに『Restart』だね」
「だよね」
呟いた私に、くみちーが自慢げに微笑んだ。
「時間はありそうでない……なんてことは、今さら言うまでもないか」
プロデューサーは私に目を向ける。
「スケジュールに関しては、特に未央がキツいけど、大丈夫だよな」
確認するように言ってきたプロデューサーに、私は頷いた。
「もちろん。任せてよ、プロデューサー!」
私達は三人で事務所を出ることに。
「サンセットノスタルジー、だね」
まだ喜びの余韻に浸っているようだ。みうみうは廊下を歩きながら、手に持った企画書を見つめていた。
「嬉しいのは分かったけど、鞄にしまいなさいよ」
くみちーが注意したが、みうみうは大事そうに企画書を抱きかかえた。
「だって、サンセットノスタルジーだよ? やっとできるんだもん。久美子さんも嬉しいでしょ?」
「そりゃ嬉しいけど。読みながら歩くのは危ないわよ」
「まあまあ、いいじゃんくみちー。今日のところはさ」
くみちーの言うことはもっともだが、みうみうの気持ちは十分わかる。
「えっへっへー」
気持ちがそのまま行動に出てるみたいに、みうみうは弾むように私達より先へ進んだ。
廊下の曲がり角の手前でこちらに振り返る。
「だってさ――」
そんなときに、運悪く人が曲がってきた。
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