86: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 22:11:10.52 ID:5UUNa7QZ0
「えー!?」
みうみうは眼を開いた。
「ひどーい。この前予定間違えそうになったの、気にしてるの知ってるでしょー!」
「だからやって。そっちのドッキリに比べたらカワイイもんやろ」
「うっ……」
「なあ?」
つっちーがにんまり笑ってくる。それは当然、生放送の一件だろう。
あれは完全に独断で、つっちーや日菜子ちんも知らなかった。あれに比べればこんなものはドッキリにもならない。
私も苦笑しながら肩をすくめて。
「あれは私も驚かされた側だからね」
と、一応弁解しておいた。
「だからまあ」
つっちーは言った。
「これでおあいこ。ってことやらかね。美羽ちゃん」
気恥かしそうに頬を染めている。なるほど。その一件に対する、つっちーなりのけじめのつけ方なのだろうか。
私はおかしくて少し笑んでしまった。そんな私に気付くと、つっちーは目を丸くしてから視線を逸らした。大げさに息をつく。
「もー、ホントかなわんね。美羽ちゃんには。もうちょい落ちついたらどう? ギャグを減らすとか?」
「えー、この前のはゴメンだけどー! それだけは勘弁して」
やいのやいのといいあっている二人に、なんだか安堵した。
「実はですねー」
気付くと、日菜子ちんが私の傍までやってきて、口元を片手で隠しながら小声で言う。
「あの券、福引で当てたなんて嘘なんですよ」
「そうなの?」
「きつく当たり過ぎたかも……などと気にしていたんです。不器用なりに謝ろうとするのも、なかなかよいものですねー」
日菜子ちんはいつものように笑っているけど、それは普段より少しだけ優しく見えた。
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