73: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:49:49.20 ID:5UUNa7QZ0
ちひろさんに電話をすると、プロデューサーも事務所にいることが分かった。
幸い、しばらくは事務所にいるらしい。
タブレットをくみちーのバックに入れて、私達は事務所へ向かった。
最寄りの駅についたころには、日は微かに傾き始めている。
間もなく、夕暮れの時間だった。
急かす気持ちが、私達の歩みを普段より早くさせていた。
事務所に着くと、少しだけ汗ばんだことに気がついた。
プロデューサーの部屋に向かったが、そこにプロデューサーはいなかった。もう帰ってしまったのか。
スマホが鳴った。プロデューサーからだった。
「プロデューサー?」
「どうしたんだ未央、さっきも電話があったけど」
「今から会えないかな?」
「会うって……電話じゃ駄目なのか?」
「駄目。今すぐ。プロデューサーはどこにいる?」
「事務所だけど――」
「私達も今、事務所にいるかさ」
「はあ?」
「プロデューサーの部屋の前で待ってるから」
よっぽど驚いたのか。プロデューサーはしばらく黙っていたけど。
「……分かったよ」
そう言って電話を切った
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